いじめをなくしたい

豊田腹話術 春風赤とんぼ

私は、以前小中学校に勤めていたことで子どもの、日常生活や、いじめの実態を知っている。そんなことから、人権擁護委員に選任されたのだろう。

子どもは、人権の内容を通常の講話では素直に聞き入れてはくれない。更に理解が困難であろう。

そこで、以前見た腹話術の手法でなら、子どもの心情に訴えることが可能と考えた。

平成13年先輩に紹介され、天城山荘を訪ねた。少し練習すれば、できるだろうと軽く思っていたが、なかなか難しく奥の深い芸であることを知り、挫折しかかった。

多くの依頼が来るが、迷いに迷った。しかし、観客の真剣な眼ざし指と大きな笑い声に励まされた。又、イチロー師匠・とんぼ先生のご指導に背中を押されて、初志貫徹しようと思いとどまった。そして多くの仲間もできて今日に至っている。

少しでも「いじめをなくしたい」の思いから、主に、これをテーマに公演している。

内容は①他人の身体で気にしていることを言わない(例、どんぐり目)、②いじめがあるのを黙って見ていることは、いじめている人と同じだ、③誰でも良いから相談する。この3つのことを中心に語りかけてる。

公演先は、小学校・保育園・寺院・福祉施設、自治会・老人クラブ等で、台本は、要請先ごとに使い分けている。

最近は、県内各地から半年先、一年先の予約があり、年間約90ヵ所程でご奉仕。豊田・安城・知立・みよし市内の全小学校約110校ほどを訪問した。公演を終えて校長室にいると、「おじさん、けんちゃんは、どこにいるの」と子ども達が近付いてくる。「あれー、今までここに居たが、どこに行ったかな」と答えると「けんちゃん、けんちゃん!」と本気になって呼びかけ、捜してくれる。

多くの人々が待っていてくれると思うと、体調に気をつけ、生活を戒めるようになった

今後は、体力・気力・知力を充実させ、要請のあるかぎり、努めたいと願う。

師匠の重なるご指導を思い出しつつロゴス腹話術の「技と心」を極めるよう努力したい。